マグログ

タイトルと内容は大きく異なります。

マグログ。タイトルと本文の内容は大きく異なります。

ビジネスマン必読!「経営戦略全史」を読んでみた。

 

これも、いつもの通りNewsPicksを眺めていた時に、この本が面白いと見たので、翌日、近くの本屋にて売っていたので即購入。著書の三谷さんは、BCGで勤務後、アクセンチュアで戦略グループの統括をするなど、コンサル業界では知らない人はいない人です。今は、虎ノ門大学院の教授と、特定NPO法人3keysの理事をやっているなど、社会の発展に尽力なさっている方です。

正直、三谷さんクラスの人なら、大手企業の役員や社外取締役が引く手あまただったはずです。それでも、こういった社会のためのキャリアを歩んでいる人はめちゃめちゃカッコイイです。僕としては、それだけで読む価値があると思います。

 

 経営を学問としてちゃんと捉えるようになったのって、実は1900年ぐらいからなんですね。だから、100年ちょっとの歴史しか無いのです。哲学や科学は、1000年や500年といった長い歴史を誇っています。

短い歴史だし、大した事ないんじゃないの?とおもうじゃないですか。ところがどっこい、この経営学は常に経済というナマモノを扱っているために、主流も変わるし、ついこの前まで有名だった人の考えが、もう使えなくなっちゃったことは、よくある話です。この三谷さんの本がすごいところは、この変化の激しい経営戦略の歴史を私たちにわかりやすく伝えているってことです。(これが、この本の中で一番素晴らしい点です。)

ビジネスマンの方々は、SWOT分析、KPI、シェアマトリクスといった分析方法ってよく使いますよね。この本はしっかりとオリジナル(=原著)に当たったうえで、その分析方法の意義や生み出された経緯が分かるようになってます。

そして、この本の素晴らしいところは、人の顔がしっかり見えるという点です。本来、戦略というものは人が生み出したものであり、その戦略を打ち破ったのも人です。

この本では、大きく

ポジショニング派 vs ケイパビリティ派

マッキンゼー vs ボストン・コンサルティング・グループ

の対立が描かれています。日本企業の進出やオイルショックなど時代背景とともに、学説の主流の変化も楽しめたり、マッキンゼー創業者のバウアーやBCG創業者のヘンダーソンが出てきたり、当時の経営学をリードしたスターが集まっているためワクワクして本を読ませていただきました。

紹介したいお話はたくさんあるのですが、一つだけ紹介させていただきます。

味の素のコア・コンピタンス経営(p198-199)

まず、コア・コンピタンス経営について説明します。知ってる方は図の写真までスクロールしてください。ハメルとプラハラードは、企業が戦略立てるためには、自らの「コア・コンピタンス」を知ることが重要であると説きます。

企業が収益を生む源泉は、事業のポジショニングと業務の効率性の中間に位置する「コンピタンス」が重要であり、その中でもニーズ対応力や競争力の素になっているのが「コア・コンピタンス」である。

 この概念は、例えば

・ホンダはエンジン技術がコア・コンピタンス。これを軸にバイク、自動車、芝刈り機、除雪機まで展開した。

・シャープは、液晶技術がコア・コンピタンス。これを強みに、液晶ディスプレイ、ビデオカメラ、PDA、薄型テレビと展開した。

このように

①競争相手に真似されにくい

②顧客価値を創出できる

③他事業への展開力がある

ものは、ポジショニングに関わらず、成長することができる。

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提供元:Pixabay

 1997年頃、ハーバードビジネススクール(ビジネス系大学で世界No,1の学校)の生徒は、味の素の経営をケーススタディーとして取り上げました。

そこでの味の素の多角化事業は、撤退すべき、NO!という回答でした。

しかし、味の素は「アミノ酸」技術をコア・コンピタンスとし、香料・化粧品、電子材料など様々な事業へ展開していき、時価総額を6400億円から8700億円に引き上げました。そして、近年は、東レ花王ブリジストンといった一流企業とパートナーシップを組むことでさらなる価値創造に取り組んでいます。

これ、メインじゃなくてコラムなんですよ。その本に対する丁寧さが素晴らしいと思うます。また、文体も何も知らない人の目線で書かれ、かつ示唆に富む本は今まで読んだ中でも、ほとんどありません。

個人的に、他にもフェイヨルやアンゾフの話も個人的に面白く、何時の時代においても先見の明をもった天才はいるのだなと実感します。今後は、辞書代わりやこの中の気になった人の原著に当たれたらいいなと思ってます。

 

これから社会に出る人にとっての、教科書です。ぜひ手にとって読んで頂ければと思います。